教育からキャリアの領域へ。そこから見えた、教育と大学生活の重要性。

STORYは「教育」と「キャリア」の二つの領域で事業を行なっている組織です。

今回はこれまで「教育」に長年従事し、今年から「キャリア」の領域にも携わるようになった役員の妻鹿に、

「なぜ教育に興味関心を持つようになったのか」
「キャリア領域に身を置き、改めて感じる教育の重要性とはどのようなものか」
「大学生活をどう捉えるすべきか」

といったことについて渡邉がインタビューを行いました。

教育やキャリアに興味関心のある方、また後半の大学生活の過ごし方については全ての大学生の方に読んで欲しい内容です。


 

■世界一周を機に、教育に携わることを決意。

▼渡邉
妻鹿さん、本日はよろしくお願いします。

妻鹿さんはこれまで「教育」の方に長年携わっていますよね。
STORY創業前から大手個別指導塾で6年間経営企画等に携わり、STORY創業後も3年間教室長を担当していました。

そして昨年2018年より、STORY CAREERという「キャリア」領域の事業部でキャリアアドバイザー(CA)として活動を始めています。

STORY CAREERは、主に大学生のキャリア支援を行う事業部です。
自己分析を主軸にしたキャリア支援を行い、学生と企業の理想のマッチングを実現しています。

そもそも「なぜ教育に携わろうと思ったのか?」というところから教えて欲しいです。

▼妻鹿
就活をしている頃は、興味はありませんでした。

かなり多くの企業から内定を頂いたのですが、最終的にはITベンチャーに就職し、2年間ほど法人営業をしていました。その後は、世界一周をしました。この世界一周が教育に携わろうと思ったきっかけになりました。

▼渡邉
そもそもなぜ世界一周をしようと思ったのか教えてください。

▼妻鹿
きっかけは当時一緒に暮らしていた父親との会話でした。

当時、ITベンチャーでの仕事はまずます楽しかったです。感覚として70点くらいの満足度はありました。2年間くらい働くと「だいたいこのくらいまではなれるだろうな」とわかってくるのですが、今後を考えても「70点はいけるだろうな」と思っていました。

ただ、父親は「ワシは毎日100点やぞ」と言い切っていて。

▼渡邉
すごいですね。

▼妻鹿
「同じ環境で暮らしているのになぜ違うのか」と衝撃を受けました。

その背景を聞いていくと、親父の過去の経験がありました。

終戦直後に生まれたため、かなり劣悪な環境で育ったため、幸福の基準値が低く、今の生活にすごく満足していることがわかりました。そこから「環境と幸福の基準」に興味関心を持ち、様々な国の歴史や宗教について調べたりしていました。

ただ、「実際に肌で感じてみたい」と思い、世界一周をすることにしました。

▼渡邉
世界一周をしてみて、どんな変化がありましたか?

▼妻鹿
幸福の基準値が下がり、全てのことに対して感謝するようになりました。

▼渡邉
お父さんのようになった訳ですね。

▼妻鹿さん
そうですね。具体的には「ゴシャ」を体得しました。

▼渡邉
ゴシャ?

▼妻鹿
「五つの感謝」と書いて「五謝」と呼んでいるものがあります。

1:五体満足で環境であることへの感謝
2:日本という安全な国で生まれたことへの感謝
3:教育を受けられたことへの感謝
4:技術が発展したこの時代に生まれたことへの感謝
5:友人と起業してやりたいことができていることへの感謝

今でも「五謝」を思い出すようにしていますね。

※帰国後は「三謝」だったようです(笑)

▼渡邉
3つ目の部分は教育に関心を持ったことと関係しているのでしょうか?

▼妻鹿
はい、その通りです。世界の諸問題の根本には教育の問題が存在していると思いました。

色々と事例はあるのですが、アフリカの話がわかりやすいと思います。多くの人がアフリカって食糧危機に陥っているイメージを持っていますよね?

▼渡邉
はい、僕もそういうイメージです。

▼妻鹿
ただ、実際はそんなこともないんですね。普通にレストランとかでアフリカ人はご飯を残しています。

「え、残してるやん!」と当時はびっくりしました。

▼渡邉
意外でした。

▼妻鹿
ですよね。「皆んなが食いっぱぐれている」という訳ではないんです。「貧富の差がかなり激しい」というのが実態です。

▼渡邉
それはなぜですか?

▼妻鹿
理由は2つあります。

1つ目は、下の方のリテラシーがかなり低いこと。
2つ目は、国としてPDCAを回すことができていないこと。

ケニアの事例がわかりやすいと思います。

首都のナイロビはかなり発展しているのですが、その周りは砂漠になっていて、あまり開発は進んでいないんですね。で、その周りの砂漠の多くが金持ちの土地だったりします。

「上が搾取しているんだ」ということを肌で感じました。

そしてケニアの歴史を調べてみると、過去の大統領選挙の際に候補者が「俺が当選したら飯食わしたるぞ」と公言し、その人が圧倒的な得票率で当選した出来事がありました。

しかし、その人はただ口で言っているだけで、行動はしなかったんですね。

▼渡邉
騙されていると。

▼妻鹿
そうです。リテラシーが低く、思考力が著しく低いのだろうと思います。様々な論理展開、例えば因果関係、の概念を持てていないのかもしれない。

加えて、国がPDCAを回していないことですね。「現状の課題に対して打ち手を実行しない」「何か打ち手を撃つ際に、目的との整合性を考えない」そうしたことが当たり前になっています。

▼渡邉
具体的にはどういうことでしょうか?

▼妻鹿
例えば、日本であれば三権分立という概念があるように、権力の分散を行いますよね。最近では社外の取締役を設置することも当たり前になりつつあります。

そうしたことを一切行なっておらず、権力が一部に集中し、横領が蔓延っているような状態です。

▼渡邉
上に改善する意思がなく、下が改善を促すこともない。そんな状態なんですね。

▼妻鹿
そうです。下にはリテラシーがなく、上にはモラルがない。そういった状況を様々見て、「教育が重要だ」と感じました。

帰国後は教育業界に絞って転職活動を始めました。


 

■教育から、キャリアの領域へ。

▼渡邉
そして、大手個別指導塾で働くことになったんですね。どんなことをされていたんでしょうか?

▼妻鹿
最初は教室長業務を行い、その後は経営企画を行なっていました。

当時から毎悟克さん(STORY代表)とはよく話していて、リクルートキャリアで働いていたこともあり、キャリアに関する知識を教えてもらい、当時から将来のキャリアを意識した面談を生徒や保護者の方にはしていました。

その延長線上で、点数アップや志望校合格だけを目指す教育への違和感もありました。

▼渡邉
だから、6年働いた後にSTORYを設立したと。

▼妻鹿
はい。

▼渡邉
妻鹿さんはSTORYでも長年、教室長として「教育」に携わっていましたよね。

そして、昨年からキャリアの事業の方にも携わるようになった訳ですが、キャリアの事業と関わる中で改めて感じる『教育の重要性』とかはありましたか?

▼妻鹿
『教育の重要性』はすごく感じました。

僕たちSTORYは、学びという領域にある壁を乗り越えることを通じて、『16の壁を乗り越える力(SS)』を身に着けることを目的にしていますが、就活でも結局その観点をかなり見られていると感じました。

就活で見られているということは、その会社に入社して活躍するための要件であるというロジックですよね。

つまり、STORYで提供している価値が社会と接続していると言えます。

それまでも「SSは社会に出た時に活きる力であるだろう」と思ってはいましたが、キャリアの領域に身を置き、実際にどういった能力が求められているのかを実感し、改めて教育フェーズで壁を乗り越える力を身に着けることが重要だと感じました。

▼渡邉
確かに、そうですよね。

「偏差値至上主義はダメだ」という意見もありますが、競争環境に身を置き成果を追い求めることは、やり方によっては汎用的なスキルであるSSを身に着けることに繋げられるので、一概に否定できないです。

▼妻鹿
学びという領域で成果を出すためには、様々な能力が必要となります。

STORYでは、SSを『具体と抽象の行き来能力』『言語』『目標設定』『計画』『自律』『熱量』『振り返り』『改善』、他にも様々な能力に分解していますが、学びという領域で成果を出す上で必要な力になります。

そして、それらは就活でも見られます。つまり、社会に出ても必要ということです。

よく『地頭』という言葉が就活や社会では使われますが、分解していくと『具体と抽象の行き来能力』『言語』『目的的思考』といった、頭脳に関するSSになります。

なので、仰る通り、日本の教育を一概に否定するのではなく、改善すべきところを改善し、子ども達が上手く社会接続できる状態を実現するための教育にアップデートしていくことが必要だと思います。


 

■大学は人生の夏休みではない。そんな時代はもう終わった。

▼渡邉
妻鹿さんも感じておられることかと思いますが、SSは汎用的なスキル、簡単に言ってしまえば「成果を出すためのスキル」であるため、大学生になってからも十分身につけられることかと思います。

そして、事実として、STORYでインターンをしSSを鍛えている大学生たちは、今年もかなりレベルの高い企業から内定をもらっていたりしますよね。

▼妻鹿
はい、その通りですね。別にインターンではなくてもいいのですが、何か一つのことにコミットすることが重要だと思います。

STORY CAREERで多くの大学生を見ていますが、学生時代に何か一つのことにコミットをして成果を出している人たちは企業からの評価も高いですね。

▼渡邉
大学生が気になることだと思うので質問させていただきます。

「何か一つのことにコミットすればいい」ということについてなのですが、とはいえ「どういった環境で、何をするのか」というのは重要だと思います。この点について、妻鹿さんはどう思われますか?

▼妻鹿
2つ、見る観点があると思います。

1つ目は、その環境を用意している人たちが何を意識して自分に接してきているか。
2つ目は、フィードバック(FB)の量と質はどれほど担保されているか。

1つ目に関しては、例えばですが、大学生を単なる労働力としてしか見ていないような企業でインターンをするのはやめておいた方が良い、みたいな話ですね。「どんな目的を持って、自分をチームに入れてくれたのか」ということは考えた方が良いと思います。

2つ目に関しては、自分自身の成長に大きく関わることですね。STORYではよく成長の仕方は3つあると言っています。1つ目が、自分でPDCAを回すこと。2つ目が、他者を真似ること。3つ目が、他者からFBをもらい修正をすること。

特に3つ目があるかないかで大きな違いが生まれます。例えば、サークルやアルバイトってあまりFBはないですよね。そういった環境にいる人たちと、日々FBを受け続けるような環境にいる人とでは、短期間、それこそ1ヶ月とかで大きな差が生まれます。

▼渡邉
確かにそれはそうですね。

STORY CAREERでも、面接が終わるごとに振り返りをあげて、FBをもらいにくる大学生は、日に日に自己理解を深めていき、面接でのプレゼン力も向上していますね。

▼妻鹿
この1年間、大学生のキャリア支援をしてきて、「学生時代に何をするかで、人生は大きく変わる」ということを実感しました。「大学は人生の夏休みだ」という言葉もありますが、そんなことはないと断言できます。そんなことを言える時代はもう終わっていると思います。

▼渡邉
すごくわかります。

ちょっと難しい質問していいですか?

確かにそれ自体仰る通りではあるのですが、そこに対して納得感を持てていない人、理解はできるものの行動できていない人に対しては、どういったアプローチをすれば良いと思いますか?

▼妻鹿
一番良いのは実際に企業で働いてもらうことではないかと思います。「成果を出すためにはどういった能力が必要か」「その能力を身に着けるためには、どういったことができるか」を考えるきっかけになると思います。

▼渡邉
それは今後STORY CAREERとしてやっていきたいことですね。就活生だけでなく、低回生に対しても本格的にキャリア教育を提供していく。

■大学時代の「こうなるだろうな」は、現実化する。

▼妻鹿
ただ、まだそこにアプローチできないので、最後に大学生の皆さんに向けて伝えたいことがあります。

正直、STORY CAREERに携わるまで「社会人になってから頑張るのも一定ありかな」と思っている部分もありました。ただ、実際はそうではなかったんですね。志望する企業から内定をもらえる人たち、つまり就活で成功する人たちは、既に学生時代から志望理由の背景にある想いをベースに何か活動をして、成果を出している人たちなんです。

で、これは就活という点の話だけではなく、その後の人生においても言えます。

僕は社会人14年目ですが、大学時代に「こいつこうなるやろうな」と思ったことがほぼ外れていないです。気持ち悪いくらい当たっています。社会人になってから挽回するのは本当に難しいのだと思います。

▼渡邉
社会人になってから挽回できるのであれば、大学時代から既に何かしてますもんね。

▼妻鹿
そうですね。

また、時代の変化に伴い、自己実現のために仕事をできないと幸福を感じられないようになってくると思います。

冒頭で述べた幸福の基準値の話とも関係しますが、今の時代の人たちは幸福の基準値がかなり高いと思います。

衣食住が整っていることは当たり前。SNSの発達により気の合う人たちと繋がることも簡単にできる。つまり、マズローの五段階欲求の下3つは容易に満たすことができる時代に生きているわけです。となると、次はより上位に位置する『尊厳欲求』『自己実現欲求』を満たす動きをしていくと思います。

そうなってくると、壁を乗り越える力が必要になってくることは明白です。

だからこそ、今大学生である皆さんには、自分のキャリアについて真剣に考え、大学生活をどう過ごすかを考えて欲しいですね。

Fin…