京大アイセックさんのキャリアセミナーで講演を行ってきました。

坂元 俊介

2017年10月24日

こんにちは、STORYの坂元俊介です。10/3(火)に、京大アイセックさんのキャリアセミナーで講演を行ってきました。大学生の皆さんが就活をされるにあたってお役に立てる内容かと思っておりますので、簡単にまとめておきます。

このセミナーは、最近では少なくなった「自己内省」を本質的に捉えようというものです。"3年で3割の退職"や、"仕事満足度最下位の日本"、という現状を改善する方法の1つとして、「自分自身の内」からキャリアを考えて貰うきっかけになればと思い、企画したものです。

30名強の方々にご参加いただき、事後のアンケートでも学年に関わらず高評価をいただいたようでしたので、改めて内容をまとめさせていただきます。

個別指導塾のSTORYが、大学生向けのキャリアセミナーをやる理由。

セミナーの内容をご紹介させていただく前に少しだけ、なぜ今回こういった取り組みをSTORYとして始めさせていただいたのかを簡単にお話しさせていただきます。

STORYには、「教育で、子供たちと社会の間にある溝と壁をなくす」というビジョンがあります。

STORYのメイン事業は、小中高生に向けた、完全個別コンサルティング形式の個別指導塾です。しかしこれまで、キャリアに最も近い存在である大学生に対しては、「インターン生に対する成長環境の提供」のみとなっておりました。

そして、社内でインターン生たちのキャリア支援を行う中で、我々が就職活動をしていた時(10数年前)と、就活生を取り巻く環境が大きく変わっていることに改めて気付きました。それは、就職活動市場に多くの新興企業が事業参戦していることです。

我々の時代では、就活中によく利用するのはリクルートを始めとする大手3社と、あとはいくつかのナビサイトがあるぐらいでした。またそれを補完する機能として、学生団体という形で、自己分析を手伝う就職支援団体が各大学に数多く存在していました。

しかし現在において、ナビサイトの力が弱まってきたことと相まって、多くの新興企業が様々なサービスで就職活動市場に参入しています。学生団体にも、バックボーンに企業が存在していることが珍しくありません。そして、そうした企業の多くが展開しているのは、企業と学生の接点を作るサービスです。

学生が企業との接点を持てる、それ自体は悪いことではありません。ですが、就職活動を行う学生たちが、「自己を深く知る(自己内省を行う)ことなく、多くの外社会の情報(企業情報)に触れ、企業選別を始めてしまう」ということを助長する側面があり、私はそれを強く懸念しています(この弊害については、自己内省をせずに就職活動を始めて陥るケースとして後述します)。

キャリアを考える上で最も重要である「自己を知る」機会が乏しいまま、加工された外社会の情報があふれることで、結果的に「子供たちと社会の間の溝と壁」は益々大きくなっていると感じます。STORYとしても、その現状を少しでも改善したいという思いで、セミナーの実施に至りました。

セミナーの概要

当日お話ししたのは、大きく分けると3つです。

  1. キャリアを考える上での自己内省の重要性の話。
  2. 自己内省の深め方の話。
  3. 自己内省の活かし方の話。

と、一貫して「自己を深く知る=自己内省」を中心にしたお話をさせていただきました。それでは、それぞれご説明させていただきます。

1.「キャリアを考える上での自己内省の重要性の話」

倫理憲章の方針によって、右往左往する就活市場。就活とはその名の通り、「就職活動」の略なのですが、私は、一般的にイメージされている就職活動というものに違和感があります。「就職活動=ファーストキャリアを決めるための活動」、とするのであれば、本当の意味で「始まる」のはいつなのでしょうか?

リクナビ・マイナビがオープンする時、合同説明会が開催される時、企業が説明会を開始する時、インターン選考が始まる時、本選考が始まる時、etc…

私はどれも違うと思っていて、自分のキャリアを考え始めた時、そのために必要な力を身につけるための活動を始めた時、だと思っています。そう考えると、就職活動とは、3年生やM1、4年生やM2で始めるものではなく、大学に入った瞬間、もしくは高校生から始まるものだと考えています。

つまり、よく言われている「就職活動が学業の妨げになる」というのは本質的ではなく、就職活動を始めることによって、自らの描くキャリアに必要な専門性を磨く手段として学業が必要になり、学業にとってもプラスになる、と考えます。

つまり、「就職活動」とは、自己内省が起点になるものであり、逆にいうと自己内省無しには本当の意味での就職活動ではないのです。

実際、今までに1000人以上の就職活動を行う学生を見てきた中で、自己内省を行わずに就職活動をしてしまうと陥るケースが2つあります。

1つ目は、非常に能力がある(Canが強い)学生の場合、能力面だけで選考を勝ち残り内定を獲得する場合があります。ただし、内定獲得の後に「本質的に自分がやりたいことだったのか?」というキャリアの迷いが生じるケース。

2つ目は、そもそも面接での質問に答えられず、面接が進むにつれ落ちることが多くなり、どこにも決まらないケース。

こういったケースに陥らないために、しっかりと自己内省を行っていただき、本当の意味での就職活動を行っていただきたいと思っています。

2.「自己内省の深め方の話」

自己内省の重要性をご理解いただいたとして、「どうやって、その自己内省を行うのか?」が次に重要になります。

そこで、ライフラインチャートとSWシートと、モチベーションリソース・モチベーショントリガーのご紹介をさせていただきたいと思います。

A:ライフラインチャートとSWシート

ライフラインチャートは、就職活動において一般的になってきておりますが、自分のそれまでの人生における人生の出来事と、その出来事における感情のプラスマイナスをチャートに記載するものです。

STORYでは、そのライフラインに加え、それぞれの出来事や年代において、自分に影響を与えた人物の記載をしてもらう独自のシートを使用しています。SWシートとは、ライフラインチャートから客観的に、自らの「Will」「Can」を分析するシートです(※"SW"とは「STORY Weaving」の略称であり、「自らの物語を紡ぐ」という意味を持っています)。

SWシート

「Will」は、「大きなwillの軸(方向)」「行動の直接対象」「関わり方」の3つの切り口で捉え、それぞれ、醸成エビデンス・発動エビデンス・再現エビデンスに分けて、自分の人生の出来事が、どのようにWillに影響を与えているか捉えます。

「Can」は、「対自分」「対事柄」「対人」の3つの切り口で捉え、こちらも、醸成エビデンス・発動エビデンス・再現エビデンスに分けて、自分の人生の出来事が、どのようにそのCanを醸成するに至ったのかを捉えます。

実はこの分解を行うことで、面接において非常に役立つことがあります。面接でよく聞かれる「志望動機」「学生時代頑張ったこと」「自己PR」は、WillやCanの「発動エビデンス」「再現エビデンス」から抽出でき、そこからどんどん質問を掘り下げられた際に話す「原体験」はそのまま「醸成エビデンス」に当たります。ゆえに、SWシートは面接時のマインドマップのようになり、これらの質問にすんなり答えることが出来るようになります。

B:モチベーションリソース・モチベーショントリガー

モチベーションリソース・トリガー相関図

リクルートワークス研究所様が出典元になりますが、人が働く上での源泉となるモチベーションリソースの4つの型(仕事型・職場型・組織型・生活型)と、その4つを構成する12のモチベーショントリガー(お金・地位・安定・環境・健康憧れ・体験・仲間・援助・成長・変革・創造)があります。

このモチベーショントリガーを用いて自己内省を行う時の通常の流れは、以下のようなものです。

  1. 12のトリガーの中で、直感的に3つを選ぶ
  2. 3つの中から優先順位をつける
  3. その3つを具体的に言語化する(当日はここまでやりました)
  4. その言語化した3つが自分のライフラインのどの出来事から形成されているのかを探る
  5. ライフラインを探してもどこにもない関連する出来事がない時には自分のWillやCanとの整合性を見る
  6. これでも無ければ、もう一度トリガーから4つ目を探し、3~5を繰り返す

是非、一度お試しいただければと思います。

3.「自己内省の活かし方の話」

WillやCan、簡単に自分のモチベーションリソース・モチベーショントリガーを知っていただいた上で、会社選択においては、

  • Willが叶う可能性があり、Canが活かせる環境なのか?
  • モチベーションリソースが発揮されそうな環境、つまりモチベーショントリガーが揃う環境なのか?

の2点が重要です。

Aの場合、本当に自分にそのWillを実現するだけのCanがあるのか?を冷静に考える必要があります。「Canを磨く」という考え方は大切にすべきではあるのですが、そもそもの向き不向きは、キャリアを考える上では非常に重要です。

Bは、当たり前ではあるのですが、日々の活動の中では自らのモチベーショントリガーを理解しながら行動することで、日々の成果が変わってくるようになります。しかし、意外と現状はそこまで精緻に知りに行けていない、知ろうとしていない、というのが、多くの大学生と会ってきた実感です。

モチベーショントリガーの活用

例えば会社選択において、モチベーショントリガーの優先順位の1位が「仲間」で、自分と同じような志を持ち、切磋琢磨できる仲間を求めている場合、内定者やセミナーに出てくる先輩・人事だけでなく、自分がリアルに配属される可能性のある現場の人を会社選択の前になるべく知ることが大切ですし、それが実現しない場合、社風やビジョン浸透などによる社内人材の見極めも重要になります。

もう1つ例を出すと、モチベーショントリガーの優先順位の1位が「創造」で、若い時から新規事業創造をし、責任を背負って事業を発展させたいという場合、そもそもその会社の社員の内、何人が新規事業に携わっているのか?や、新規事業を任せられる年次は何年目ぐらいなのか、などを深く調べる必要があります。

こういった、具体的な内容までしっかりと調べることで、よりミスマッチをなくし、「思っていた仕事と違う」という3年で3割辞める一番の原因を減らすことが出来ると思っています。

またこれは、キャリア選択の前段階の「自己を鍛える」という側面からも有用です。日々の活動や学業において、この自らのモチベーショントリガーを理解し、自らのモチベーションをセルフコントロールすることが出来るようになることによって、パフォーマンスの向上に繋がり、Canをより鍛えることが出来るようになります。

このように、本質的な就職活動=「自己内省から始める就職活動」を始めていただくことで、いま行っている活動や学業に対してもプラスにしていただき、そして、ファーストキャリアの選択の時に、自らが迷いなく最適だと思える選択ができることを願っています。

坂元 俊介

SHUNSUKE SAKAMOTO

同志社大学卒
株式会社STORY 取締役

新卒でリクルートHRM(現リクルートジョブズ)に入社。その後ITベンチャーを経て、家業である江戸時代から続く和菓子屋を事業継承しました。同時に、リクルート同期達が立ち上げた教育ベンチャーであるSTORYの理念に共感。役員として、大学生のキャリア教育をメイン管轄としています。事業継承の1モデルとして、継承後の多様な働き方を模索しています。

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