MASAKATSU MURANAKA

市場にさらされながら
成長するということ。

村中 毎悟克 神戸大学卒
株式会社STORY 代表取締役

在学中から市場にさらされるということ

STORY代表の村中です。今日お話ししたいことは2つあります。1つ目は、大学生はもっと市場にさらされた方がいいんじゃないかというお話。2つ目は、そのうえでのSTORYという組織のお話。これを話させていただきます。

まず1つ目。日本では、高校までの学びって非常に強いんですよ。OECDのpisa試験とかでも上位5番目に入ってたりとかですね。受験っていう目標がある中で、壁の置き方が上手く、カリキュラムとしては大きく逸れてはないんですよね。つまり、受験競争が悪だっていうことではなく、そこに向かわせる手段・方法が重要で、かつ躓いた人を助ける手段も必要ですよ、という議論ができるレベルにはあるわけですね。

ただ「大学」に関しては、同じように機能している大枠のカリキュラムがあるかというと、皆が皆そうではないんですよね。日本一目指している部活とかならそういった厳しい競争環境はあるけど、普通の学生ってなかなかそういったものを持てていない。じゃあ大学での学びの壁はどうですかっていう話なんだけど、実はそれもあまり機能してません。要は、勉強もそんなにやらなくてもいけちゃうっていう環境なんですよね。

ーたしかにそうですね。

そうなんですよ。そういった意味では、大学生って「戦う環境」がないんですよね。これがやはり大学生の発達スピードを大きく緩めちゃっていると思います。

「でも今、一定やれてんだからいいじゃん」「何がダメなの」っていう意見があることも分かります。ただ、就活に直面している学生や、STORYに面接に来る学生を見ている私としては、「いや、やっぱり実際機能してないよね」って感じるんですよ。何もやっていない中で、やりたいことが見えて来たり、力がつくかというと、そんなに甘くないですよね。

すると、やっぱり市場に身を置くことが必要になってきます。市場に入ることで何が良いかっていうと、顧客がいることが1つ。お客さんがいて、自分の価値をお客さんが決めるって環境です。2つ目としては、競合がいること。競合他社が顧客を取り込むために工夫を凝らしている中で、じゃあどうやって勝つのかという観点を持てるし、組織内でいうと周りにもライバルがいると。やっぱりそういう中で揉まれないといけないよねって思いますね。

それで、できればやっぱりアルバイトみたいに、役割がバッチリ決まっているところよりも、自由にやれる方がよいです。そういう意味では、少しラディカルな意見かもしれないけど、全ての学生が顧客の評価にさらされつつ、ライバルが社外にも社内にもいるという市場環境に飛び込んでみるべきだと感じますね。

ー今の大学生がそこまで求められるのはなぜでしょうか?

昔との違いでいうと、昔って護送船団方式というのがあって、国と企業が提携して、キャッチアップを後押ししてたんですね。つまり官僚と国が大元の方向性を握っていたので、企業としてはそれに足並みを揃えてさえいれば、会社が潰れるリスクを抑えることができていたんです。

当時はその方向で一定上手くはやれていました。ただ、今の日本って、そのフェーズは終えているんですよ。要は先進国の仲間入りをして、「企業はどこに向かって進むのも自由ですよ」という状態ですね。そうなってくると、戦略を間違えれば大手企業でもバンバン潰れていくと。最近でいうと東芝であったり、少し前でいうとSHARPとかがその例ですね。これって1995年ぐらいからのトレンドで、こうなると、やっぱり個人が強くなる必要がある。

変化のスピードがめちゃめちゃ早くて、今日の勝者が明日の敗者になっても何もおかしくないんですよね。それを考えると企業側としても、4年間遊び尽くした大学生を新卒で入社させてそこから育てよう、なんて悠長なことは言ってられないんです。それは良い悪いとかの話ではなく、時代がそうだから変わらないといけないという状況なんですよね。

ーなるほど。大学生も時代に適応する必要があると。

そうです。割と有名な例でいうと、DeNAという会社は、新卒採用でほとんどベンチャーのインターン経験者からとってます。なぜならエビデンスがあるから。例えば私がリクルートにいた時でも、中途採用で人を繋ぐ時って、エビデンスしか見られないですよ。ただ新卒採用だけが異常で、エビデンスがなくても採用されると。なので採用する企業からすれば、もし学生の中にエビデンスのある人がいるなら、ぜひ優先的に確保したい、というのは当然のことなんですよね。だからこそ、在学中から市場にさらされるべきだと思いますね。

ー「大学は人生の夏休みだ」とする意見に対しては、どう捉えるべきでしょうか?

それでいうと、その大人たちが大学生の時はそれで大丈夫だったから。というのが答えになります。その人が大学生の時に、「東芝潰れると思ってましたか」「AIに仕事奪われる危機って認識してましたか」って話ですね。大人が大学生にそういう話をするのは分かるんですが、それは「時代が変わっていない」という謎の前提からきていて、客観的に見るとそんな訳はないって話ですよね。

あと、大学生のうちにしか遊べないという意見に対しても、実は間違っているなと思うんですよ。要は社会人になってからでも、収入があれば遊べますしね。つまり、自分に力があって、顧客に価値を提供できる状態であり、必要とされている状態を作れるかどうかです。そうなった時に、大学生は「いかに今のうちに遊ぶか」を考えるんじゃなくて、「いかにいち早くその状態にいくか」を考えるべきではないですかね。そういうことができている大人って普通にいますしね。

ーSTORYの見解としては、「夏休みじゃないぞ」と。

まあ大学生って、普通に考えると、不安だと思うんですよね。例えば、就活して内定取って卒業後に働く会社が決まりました、っていう状況って、自分はほんまにやれんのかなっていう不安があって然るべきと思うんですよね。または周りを俯瞰した時に、一定ずば抜けているやつもいて、そういうやつを見たら不安になるよねと思います。僕はそうだったんで。やっぱり何者でもない自分って、自覚すべきですね。「やばい」と感じることがあったら、危機感をもつべきだとは思います。要は、試合はすでに始まってますよ、ということです。

STORYで仕事をする意味

そこで、STORYがどういう組織かという話をしますね。先の話で、市場にさらされるべきという話はあったんですけど、その中でSTORYで仕事をする意味は3つあります。一つ目は、自己認知が進む。二つ目は、人間理解が進む。三つ目は、壁を超え続けるスタンスがつく

STORYって結構しんどい環境ではあるんですよ。レベル感・スピード感も結構半端なくて。3ヶ月で組織がガラッと変わったりするんですよね。しかも必死に頭を使っておかないとキャッチアップできないと。それに、ミッションも結構無茶なものが出てきたりとか。例えば「お前これぐらいできるからこの仕事な」みたいなことじゃなくて、必要性と目的から考えた時に、「できるかわからんけどやらなきゃいけない」って状況にいたりするよね。

ーほんまにそうです。笑

「自分のレベル感に合わせて」というやり方ができるのって、研修中ぐらいですよね。そっからはいきなりバケモンみたいな仕事と対峙しなきゃいけないという状況が普通にあります。ただ、大きな壁に向き合うってことは、すごくいいことかなとは思っているんですね。壁が大きいからこそ、自分の何が通用して、何がしないのか。または自分がどんな部分には動機を持って頑張れるのかっていうのもようやく認識できることかなと思います。しんどいときこそ試される。

それでいうとSTORYっていうのはすごく良い環境で、マネージャーとの振り返りで、強制的に内省する機会が持てるんですよね。つまり自己認知が進む。社会の中での自分の置き方と、組織に入ってからのミニマムな部分での自分の置き方が学べるかなと思いますね。

ー二つ目が、人間理解。

これもよく言われてることなんですけど、今世界で未開のものっていうのは3つあって、深海・宇宙・人間ですね。深海・宇宙については人間の技術の発達によって、どんどん開拓はされていってますし、これからもされるでしょう。そこで人間はどうかと。いわゆるメディカルな部分ではかなり解明されてきているんですよね。ただ文系的に、つまりアナログなものをデジタルにするっていう部分があまりないなあと思ってます。

STORYは立ち上げ当初からずっとそこは大事にしていて、人間の分解がすごく細かくてここはすごく特徴的だなと思うんですよ。STORYのサービスでいうと、 SS(Skill/Stance)という、人を切り取り理解する力であったりとか、マネージャー陣がメンバーであるインターン生の課題を切り取って抽出する力であったりというのは、STORYの大きな強みであると思いますね。

なぜ大学生にとって「人間理解」が必要かというと、新しいサービスを作る・新しい組織を作るとなった時に、この能力は不可欠なんです。例えばサービスを作る段階でも、顧客のニーズをしっかり理解できていないといいものはできないし、組織づくりにおいても、やっぱり人をしっかり理解した上で分解して、メンバーに対して適切なアプローチする必要があるんですよね。

その部分に対して、STORYは解釈の切り口であったりとか、それに対応する言語・適切なアプローチのストックがあるんですよ。そういった意味で、人間への適切な理解が学べるSTORYは、かなり強いなと思いますね。

ー最後の三つ目、壁を超え続けるスタンス。

これは、壁を超え続ける経験についてですね。実は、STORYって優秀な学生ほど合う企業だなと思います。つまりwin-winな関係になれていると思ってます。優秀な学生に合う理由っていうのは、どこまでいっても壁があって、それを乗り越えていけないといけないっていう意識が常に持てているので、退屈させないんですよね。

これって実際に社会で始めると普通にあることで、壁が本当にたくさんあるし、できない自分に向かい続けなければいけない環境です。それと一緒なんですよね。だからこそ、その力を社会に出る前に身につけることが必要になってくるんですよ。つまり始めに話した、大学生は市場での価値評価にさらされるべきだという話につながります。もちろん人によって、壁の高さを調節したり、量を調節したりすることは必要になってきますけどね。

最後に、大学生に向けてのメッセージを

私自身も、大学時代に圧倒的な壁を目の前にして努力した経験があるんですね。少し具体的に話すと、私が大学時代に塾で講師をしていた時に、その道のエキスパートである講師の人たちと一緒に仕事をさせてもらってたんですよ。

その人たちは、中学数学というニッチな市場ではあったんですけど、本当にその市場では誰もが知っているほど有名な人たち。自分はそういう人たちと仕事をしてたんですね。そうなった時に、この人たちと比べて自分は全然できていなっていう自覚がずっとあって、その時はかなりしんどかったですね。ただそこで壁に向き合って、私自身も大きく成長できたので、大学生にもそういった経験をどんどんしてほしいと思います。

村中 毎悟克

MASAKATSU MURANAKA

神戸大学卒
株式会社STORY 代表取締役

浜学園、リクルートキャリア、プロ家庭教師を経て、STORYを設立。一貫して、人の発達・キャリアに携わり、小学生から社会人までの生きる様を縦軸で見て来ました。STORYを通じて、直面する壁を乗り越えられる強さを持ち、自分らしい道を築き歩めるような人を、社会に送り出していきたいと思っています。

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